【誰にともなしに、独り言レス―その3132】
ギルルースの裁定理由について当のシェパードは―
I obviously appreciate his decision to let me make the first flight, but he never told me why he made that decision the way he did. I asked him several times over the years, and he always said, ‘Well, you were just the right man at the right time.’
と何気に自らの正しい資質(ライトスタッフ)を仄めかしてくれてるけれど、原作も―
マーキュリーの初飛行にシェパード宇宙飛行士が選ばれたことにグレン宇宙飛行士が不満を持っているが、この問題を彼としてはどう考えたらよいか。ギルラスは自分で決断を下したと言っているし、ほとんどが全く客観的な多方面にわたる基準に照らしてなされた決定である。たとえば、操作訓練装置ではシェパードの成績が一番よい。ギルラスがすべての基準を勘案したとき、シェパードが一位で、グレンが二位となったのは、互選の結果だけではない。[中公文庫]
Astronaut Glenn's dissatisfaction with the selection of Astronaut Shepard for the first Mercury flight? Gilruth said he had made the decision himself; and it was based on a wide range of criteria, many of them quite objective. Shepard had performed best on the procedures trainer, for example. When Gilruth considered all criteria, and not just the peer vote, Shepard ranked first and Glenn ranked second.(The Right Stuff)
と互選での一発選考ではなかったとはしている。
ざっくり言うなら、わたしはグレンが(逆に)えこ贔屓されてたからシェパードが1番目になったと思ってますけど。
その 238 (2003/12/14)
つまり、簡潔にまとめると(←まとまらんでしょう、絶対)、こうは考えられないでしょうか―
1961年 1月19日に(できレース?の互選で)1 番目がアラン・シェパードに決まった時、2 番目のガス・グリソム、3 番目のジョン・グレン、4 番目のディーク・スレイトンくらいまでは一応スケジュールを押さえておく。(残りの 3 人の順番も含めて、大雑把なイメージはでき上がっていた)
まだ、その一ヶ月前にレッドストーンの打ち上げが成功したばかりなので、ひとまずは全て弾道飛行で計画されたけれども、1 番目と 2 番目で弾道飛行をクリアしておいて、その後アトラスの打ち上げ成功を待って、アトラスが完成した時点で 3 番目からのミッションを軌道飛行に切り替える―逆に言うと、アトラスが完成しない限り、3 番目は飛ばさないという最初からの企てだったんじゃなかろうか。
そう考えると、ちゃ~んと辻褄が合う…?
仮に 1960年 7月29日のアトラス MA-1 の打ち上げ実験が一発で成功していたとしたら、おそらく世界初の有人宇宙飛行は、今よりもっと早い時期にアメリカが成し遂げていたことでしょう―むろん、軌道飛行で。
その場合、名実ともに 1 番目である最初の宇宙飛行士に選ばれたのは、言うまでもなくジョン・グレンだったに違いないと、わたしは確信します―当然、その場合は互選なんかにするわけがないんですから。
この逆説的な確信こそが―即ち、NASA はジョン・グレンを「えこ贔屓」していて、最初からマーキュリーにおける実質1番目である「 3 番目」に決めていた、という妄想のゆるぎない脳内根拠なのでありました―
参考文献 : なし (何たって、独りよがりの妄想ですから―妄想もここに極まれり、ってやつ)
※ NASM Oral History Project : Dr. Robert Gilruth(March 2, 1987)のインタビュー記事に以下のやりとりがある―
Devorkin: I'm talking later in '61 now, moving toward November and December of '61, after ENOS. People in NASA were still saying systems are go for a '61 launch.
Gilruth: Let's see, we could have flown Al Shepard before the Soviet manned satellite.
Devorkin: We're talking about Glenn, now.
Gilruth: I know that, but this is all part of the same story, because we couldn't fly Glenn till we flew Al Shepard. The first one was on a Redstone. We flew a man on a Redstone, and we checked out the capsule and everything, without going in orbit. Which made sense. We were all ready to fly Al Shepard well before the Soviets flew their man, although we didn't know their timetable. We were all ready to go, and Wiesner came in with his investigation into whether or not we should even have a program.
Devorkin: What you're saying is that Wiesner's investigation, by slipping Shepard's launch, slipped everything.
Gilruth: Yes.
まずはシェパード=レッドストーンのフライトありき、それなしにグレン(=アトラス)はなかった(we couldn't fly Glenn till we flew Al Shepard.)と、ギルルースは自白してるようにも(わたしには)感じるが…