【誰にともなしに、独り言レス―その3520】
蛇足
スワイガートに交代せずマッティングリーのままだったら攪拌スイッチを入れる頃合いは(when you get a chance の任意なのだから)全く展開が違っていただろうし(バタフライ効果)、酸素タンクの爆発は不可避なのだろうから LM を酸素や電力の供給源として使える chance(タイミング)で起こったかは大いに疑わしい。
そう考えると(考えなくても分かるけど)、はからずもマッティングリーがスワイガートに交代させられたからアポロ13 の Successful Failure があるという言い方もできましょうか。
《過去レス復元コーナー》
その 1096
当時、ケネディが大胆にして派手に撒き散らした病原性ウイルス(月に行くよ~ん宣言)のせいで NASA に蔓延していた “go” fever は、ついにアポロ11 で(期限内にケネディの公約を果たし)その峠を越して鎮静化に向っていたと思われるが、それでもアポロ13 は初の科学ミッション(H-mission)―隠然とイケイケ熱がぶり返していたんじゃなかろうか。
例えば、その 375(2004/ 5/ 8)で >アポロ13 で爆発した酸素タンクは、もともとアポロ 10 に設置されてたのを予め移し替えたやつだったとか―その取り外し・取り付け作業の際に、配線かどっかを(ギギッ、ガリガリッてな感じで)傷めて、そのまま内部の点検まではせずにしてたのが事故の原因ということになってるようですね と書いたけれど、正確に言うと作業の際(1968年)に迂闊にも酸素タンク(oxygen tank 2)をガガッ、ガタンてな感じで(5センチほど)落としてしまい(タンクそのものにはダメージはなかったものの)内部のドレーン・バルブ(パイプ)が緩んだ(ずれた)んですね。
そのせいで、[地上テストの際] 通常の手順では中身の液体酸素を上手い具合に抜けなくて、タンク内のヒータで加熱して気化させるという賢くも手っ取り早い(と言うか、横着な)方法をとった(←悪いことに電圧の規格変更ミスでサーモスタットがバカになっていてヒータが正常に切れず、高熱で配線が焼けて剥き出しになり、その裸電線が本番の月に向かう途中スワイガートが攪拌ファンのスイッチを入れたとたんスパークして酸素タンクを爆発させるに至った)―悠長にタンクごと交換していたらミッションの遅れを招くので。 (事故は電気系統など幾つかの不具合が重なって起こっているが、要はタンクごと交換していたら他がどうあれ爆発なんかしなかったに違いない)
ミッションの遅れを避けるため(当然 コストの問題とも関わってくるし)安全性が疎かになる―少なくとも慎重さを欠いたイケイケ(we’ve got to keep going, got to keep going, got to keep going!)モードになる。
まさに “go” fever の症状…