独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3276】

 

その1783~1785

 

ライトスタッフ」でフォン・ブラウン(と仲間のドイツ人スタッフ)がココアビーチのバーで「リリー・マルレーン」を歌うシーンと同じイメージ―

 

クーパーとグリソム、コクラン、レッドバロンが一緒に飲んでいる―

 

Co: 誰の歌だっけ?

 

C : マレーネ・デートリック(Marlene Dietrich)―正しくはディートリッヒかしら

 

Co: 男爵は―まだ知らないか

 

R : Dietrich… Nachschlüssel?

 

グリソムが口を挿む―

 

G : The issue here ain't Dietrich. The issue here is day trip―いや、time-trip だ

 

C : 正しくは time-slip ね

 

G : とにかく問題は―男爵を元に戻すこと、だろ?

 

C : だけど、一体どうやって? そんな難問―

 

フォン・ブラウンが(ぬっと現れて)答える―

 

B : 難問を解く der Dietrich は次元転移装置(flux capacitor)

 

R : Der Fluxkompensator…

 

Co: その何とか言う合鍵装置を発明してくれたのか?

 

B : いや、わたしじゃない―エメットのアイデア

 

Co: 誰?

 

B : エメット―エメット・ブラウン

 

G : またもや Brown か―で、今度はどちらのブラウン氏?

 

註)-1

 

ディートリッヒご本人は how you pronounce your name? と訊かれ―

 

Dietrich : Mar-leen-a Deet-rich and I am glad that you asked me that question because it is invariably pronounced Mar-leen Deet-rick. (Louella Parsons interviews Marlene Dietrich)

 

と明確に応えている。

 

自身では(カタカナ表記すると)マリーナ・ディートリッチと(英語読み的に)発音してるのに、世間はマリーン・ディートリックと呼ぶので少々ご不満のよう―わたしらには(ドイツ語読み的に)マレーネ・ディートリッヒが(それらしくて)よろしいでしょう。

 

グリソムのセリフ―

 

The issue here ain't Dietrich. The issue here is day trip―time-trip.

 

のもとネタのセリフは―

 

You've got it all wrong, the issue here ain't pussy. The issue here is monkey. (その3149参照)

 

それに倣えば、この場面は―

 

The issue here ain't monkey. The issue here is master key.

 

といったところで、Dietrich は合鍵(Nachschlüssel=skeleton key)の意。

 

 

註)-2

 

エメット・ブラウン Emmett Brown はフォン・ブラウン(von Braun)の一族で祖父の代のドイツ移民と伝えられる。

 

早くも 1955年にタイムトラベルを可能にする次元転移装置 flux capacitor の着想を(トイレでずっこけ頭をぶつけたおかげで)得ている。

 

その 1955年にフォン・ブラウン帰化(a naturalized citizen of the United States)、1960年からは NASA の宇宙飛行センター(MSFC)長のポスト。

 

かかる状況下でフォン・ブラウンが次元転移装置を密かに開発していて何の不思議もなかろう。

 

エメットは一般には Back to the Future シリーズの "Doc" として知られる。

 

 

その1786

 

Co: もちろん機体ごと元に戻せるんだろうな?

 

B : 機体ごとと言うより、機体そのものをタイムマシーンにする

 

Co: フォッカー三葉機がタイムマシーン…

 

R : Mein Fokker Dreidecker ―die Zeitmaschine…

 

B : そのために NF-104 のロケットを融通してもらったよ

 

C : チャックが言ってた先約って、あなただったのね

 

G : そいつで凄ぇスピード出すのか、それこそ God speed で―

 

B : いや、スピードは時速 88 マイルで足りる―全てはパワー次第(Power is everything.)

 

G : パワー次第? サルでも解るように説明してくれなきゃ―

 

B : エメット理論では 1.21 ジゴワット(gigawatts)の電力がいる

 

G : 雷様でも呼ぶしかないんじゃないの?

 

B : その代わりにロケット・パワーを使う―要は時空的、正確には時間軸的にエネルギー変換してやればいい

 

C : さっぱり分からないけど、イェーガーは張りぼての機体が持つか心配してたわよ

 

B : 当然かなり補強して頑丈にした

 

Co: それだと重くなりすぎないか?

 

B : そう、そこが―底がポイントだ

 

G : 底がどうしたって?

 

B : 床底をペラペラのアルミホイル状にして超軽量化したよ

 

G : まさか踏み抜くなんてことは…

 

B : むろん破れる心配はない―銃撃でもされりゃ別だが

 

 

その1787

 

註)

 

フォン・ブラウンの >床底をペラペラのアルミホイル状にして超軽量化 する工夫は(言うなれば)LM(Lunar Module)仕様で、まさに(グラマン社が開発する)張りぼてアポロ月着陸船のヒントになったと思われる。